建設業許可申請の成功ガイド！初心者に必要な手順と注意点とは

2025年8月27日 2025年8月27日

harulegal

建設業の許可申請を初めて行うあなた。手続きの複雑さに頭を悩ませていませんか。何から始めればいいのか、書類の不備で申請が許可されないリスクに不安はありませんか。本記事では、必要な手続きの流れやよくある注意点を初心者にも分かりやすく解説し、スムーズに申請を進めるための道筋をご案内します。

Table of Contents

建設業許可申請とは？まず知っておくべき基礎知識

建設業の仕事をする上で、一定規模以上の工事を請け負う場合には「建設業許可申請」が必要になります。

どんなときに許可が必要ですか？

金額によって線引きされてまして、以下の軽微な工事を超えると許可が必須になります。

建築一式工事：1件につき税込1,500万円以上
または、木造住宅で延べ面積150㎡以上
その他の工事（電気、内装など）：1件につき税込500万円以上

この基準を超える工事を継続的に受注する法人や個人事業主は、建設業許可申請を行う義務があります。

法人・個人どちらでも取れますか？

はい。法人も個人事業主も申請可能です。申請時に法人登記や個人としての経歴・実績などに基づいた書類提出が求められます。たとえば「建設業許可法人」であれば登記事項証明書など、「建設業許可個人事業主」であれば確定申告書や契約実績などが代表的な資料です。

許可には種類がありますか？

あります。営業所の所在地によって2通りに分かれます。

国土交通大臣許可：複数都道府県に営業所がある場合
都道府県知事許可：1つの都道府県内だけで営業している場合

注意点としては、大臣か知事かは「契約場所」に関係なく、「営業所」の場所で決まるという点です。

対象となる工種（業種）はどうなっていますか？

建設業許可は、29種類ある決められた「業種」ごとに取得します。たとえ大規模な総合工務店でも、一式工事だけでは専門工種（例：電気・防水）を単独で受注できません。以下の2つがメイン区分、それ以外は専門職種扱いとなります。

建築一式工事
土木一式工事
専門27業種（電気・管・塗装・屋根等）

有効期間はどれくらい？

5年間です。有効期限満了日の30日前までには更新手続き必須なので、早めの対応がおすすめですよ。更新忘れると最初から取り直しになる可能性もあるので要注意です。

建設業許可申請の条件と取得資格を確認しよう

「建設業許可申請」を行うには、誰でもできるというわけではなく、決められた6つの条件をすべて満たす必要があります。これらの要件は令和7年現在、制度改正も反映されているため、誤解されやすいポイントを含めて正確に押さえておきましょう。

【1】経営体制：旧「経管」制度は廃止済み

かつては「経営業務管理責任者（通称：経管）」という個人を必ず置く仕組みでしたが、今はそれが撤廃され、「常勤役員等に建設業の実務上の経営経験」があれば十分とされています。

建設業許可経営経験なしの場合でも可能性がありますか？

はい、その場合は補佐者との体制（例：財務・労務担当と分担）が認められるケースがあります。具体的には以下のような要件で可とされます：

常勤役員等として5～6年以上の建設業経験がある
あるいは、役員等＋直接補佐（各5年以上）の構成体制がある

この部分は審査上もっとも重視され、不備による差戻し事例も多いため、過去の経営関与実績や帳簿類などで裏付けすることが重要です。

【2】専任技術者：国家資格・指定学科＋実務経験等

各営業所には「専任技術者」の配置が必要で、その人物にも一定の資格基準があります。

国家資格保有（例：1級施工管理技士）
指定学科卒＋実務経験（大卒3年／高卒5年）
実務経験のみ10年以上　など

特定建設業の場合はさらに、「指導監督的な立場で2年以上」など上乗せ条件があります。元請工事で5,000万円以上（建築一式なら8,000万円以上）の現場経験などが判定基準です。

【3】誠実性・【4】欠格非該当・【5】社保加入

ここでは例えば以下のポイントをチェックされます：

虚偽申請歴・破産状況・暴力団との関係など → NGです
社会保険未加入だと許可下りません

【6】財産的基礎：数字で明確に決まっています

建設業許可取得資格に必要な最低資金はいくら？

区分によって異なります：

一般建設業：自己資本500万円以上または同様レベルに準じた証明（融資能力or過去営業実績）
特定建設業：資本金2,000万円以上＋自己資本4,000万円以上【両方必須】

開業間近だと特定より一般からスタートするケースが多いですね。

これら全6要件のどこかひとつでも満たしていないと許可がおりません。まず自社に当てはまるかどうか、一つひとつ冷静にチェックしてみてくださいね。

建設業許可申請に必要な書類を整理しよう【個人・法人対応】

建設業許可申請を新しく行うとき、添付書類が不足すると不受理になってしまうリスクがあります。ここでは「建設業許可新規必要書類」を、法人・個人それぞれでどう違うのかも含めてわかりやすく整理します。

法人と個人で異なる書類のポイント

たとえば法人は「登記事項証明書」が必要ですが、これは個人事業主には不要です。そのかわり、個人は確定申告書など実績の裏付けが求められることもあります。また、「財務諸表」は法人・個人ともに必須ですが、建設業法に定められた様式で提出しなければいけません。税務提出用の損益計算書などをそのまま出すとNGです。添付する証明書類は「発行日から3か月以内」のものを要求されるケースが多く、有効期限切れもしばしば差戻し理由になるので注意ですよ。

個人・法人別必要書類まとめ

書類名	法人向け	個人事業主向け	有効期限
登記事項証明書	必須	不要	3か月以内
納税証明書	必須	必須	3か月以内
財務諸表（指定様式）	必須	必須	最新期のもの
経営経験証明	必須	必須	制度に応じた期間証明
専任技術者証明資料	必須	必須	資格・実務により異なる

建設業許可申請の手順と申請先ガイド【群馬県・全国対応】

まず結論から言いますと、建設業許可申請の提出先は、「営業所の所在地」で決まります。

営業所が1都道府県内 → 都道府県知事へ申請
複数の都道府県にまたがる営業所 → 国土交通大臣へ申請

したがって、「建設業許可申請場所」は契約する都道府県ではなく、営業拠点がどこにあるかで決定します。

建設業許可申請方法：基本の流れはこの3ステップ！

事前準備（証明資料集め）必要書類（登記事項証明書・財務諸表・技術者資格証など）を整えます。準備期間では「経営体制」「専任技術者」「財産要件」など6つすべての要件を満たすことを確認しましょう。
許可申請書類の作成・提出各自治体または関東地方整備局が出している「手引き」に沿って様式へ記入し、窓口（郵送不可の場合あり）に提出します。
審査・許可通知（標準処理期間：約1か月）不備や資料不足がなければ、だいたい1か月以内で通知されます。「建設業許可申請時間」の目安ですね。ただし経験や資格に齟齬があれば差戻しになるので、この段階で遅れるケースも多々あります。

群馬県の場合：窓口＆受付日時

群馬県で知事許可を受ける場合はここです：

場所：群馬県庁21階建設企画課窓口
受付日時：月曜・水曜・木曜
10:00～11:30／13:00～15:00

※予約不要。ただし混雑時期には待ち時間発生あり。手引きや様式は「群馬県建設企画課」サイトからダウンロードできますよ。

大臣許可の場合：どこに？どう出す？

関東エリアでは「関東地方整備局」が受付先になります。大臣許可（複数都道府県営業）が必要な場合はこちらへ直接書面提出となります。郵送不可、また更新時も窓口持参指定ありです。

忘れてはいけない処理期間と失敗回避ポイント

標準的な建設業許可申請時間は約1か月

※ただし下記ケースではさらに延びます：

必須書類に有効期限切れあり（登記事項3か月以内など）
経営経験や専任技術者の証明不十分
財務諸表が税務様式だった（法律指定の専用様式必須）

特に開業したてや事例が少ない方ほど、「最初から完璧には出せない」パターンも多いため、専門家相談や下書きチェックも積極的に活用してくださいね。

建設業許可申請の費用はいくら？公的手数料とその他コストまとめ

建設業許可申請にかかる費用は、大きく分けて「公的手数料」と「行政書士報酬」の2つがあります。さらに、業種追加や特定・一般の同時申請などによって加算が発生するケースもあるため、申請内容に応じた予算取りが大切です。

公的な申請費用（知事許可・大臣許可）

群馬県での知事許可を例に取ると、新規の場合は9万円、更新は5万円、業種追加も1業種あたり5万円となっています。これらは単独で支払うだけでなく、「新規＋追加」「更新＋追加」など同時に複数手続きを行う場合には加算方式で合計額が変わる点に要注意です。一方、大臣許可（営業所が複数都道府県にある場合）は登録免許税として15万円（一般または特定1区分）または30万円（一般＋特定同時）の納付が必要です。

行政書士費用の相場

書類作成や証拠資料の整理を行政書士へ依頼する場合、その報酬も考慮に入れる必要があります。相場として新規申請は13万円〜25万円程度ですが、

申請区分（新規 or 更新）
特定建設業かどうか
業種の多さ
過去実績・証明資料の取りづらさ

などによって変動します。

費用項目	金額例	備考
知事許可（新規）	90,000円	群馬県知事許可手数料
大臣許可（一般）	150,000円	登録免許税
業種追加	50,000円	同時申請時は合算あり
行政書士報酬（相場）	130,000〜250,000円	申請内容・地域により変動

自己申請を選べば公的手数料のみで済みますが、書類不備による差戻しや時間ロス防止を考えると、行政書士への依頼も現実的な選択肢ですよ。特に初めての方ほど「コストよりリスク対策」で検討されるケースが多いです。

建設業許可の更新手続き：5年ごとの再申請のポイント

建設業許可申請を一度取得したら終わり――ではありません。この許可には「有効期限」があり、取得から5年で更新が必要です。

更新申請はいつから可能ですか？

満了日の3か月前から受付開始、30日前までに申請必須です。 つまり、たとえば6月30日で有効期限切れなら、3月末から受付されていて、5月末までに更新申請を出す必要があるということですね。

提出が求められる主な必要書類

建設業許可更新必要書類は何がありますか？

主なものは以下のとおりです：

建設業許可更新申請書一式（最新様式）
直近事業年度の財務諸表（建設業法指定様式）
変更事項がある場合、その登記事項証明・技術者証明など
納税証明書、役員等一覧表等

特に注意したいのは「財務諸表」。税務署に提出する損益計算書と混同しないよう、必ず建設業法所定様式で作成する必要がありますよ。

費用はいくらかかりますか？

群馬県知事許可の場合のケースをご紹介します：

更新単独：50,000円（収入証紙）

さらに以下のようなケースでは費用加算もあります：

更新＋業種追加：10万円
一般・特定両区分を同時更新＋追加時：最大20万円

建設業許可証更新のタイミングでまとめて行う人も多いです

よくある失敗パターンにも要注意

有効期限を忘れていた → 最悪「取り直し」に
財務諸表を税務様式で提出してしまう → 差戻し対象
登記事項や納税証明書が古くて有効期限切れ → 再取得必要

また、決算変更届（毎年）の未提出状態だと更新できません。 過去5年間適正に届出していることが前提になるため、未対応の方はまず整備してくださいね。

よくある建設業許可申請の失敗事例と注意点まとめ

「建設業許可申請」は想像以上に難しいと言われることがあります。実際、準備不足や制度誤解によって不許可や差戻しになるケースは少なくありません。

経営経験・技術者要件の不備

たとえ資格があっても、「実務経験」に関する証明が曖昧だとアウトです。例としては以下のようなものがあります：

指定学科卒業を証明できたが、就業期間の資料が足りず年数要件未達
営業所に常勤している技術者として登録したが、社会保険や出勤簿で否定された

このような場合、形式上条件満たしているように見えても審査ではじかれます。「証拠書類で説明できるか」が最重要ですよ。

財務諸表の提出ミス

建設業法では法人・個人ともに「指定様式」の財務諸表を提出する必要があります。税理士から受け取った損益計算書などをそのまま出した結果、「不備」で突き返される事例が非常に多いです。

「虚偽申請」「名義貸し」は絶対NG

他人名義で許可を得るいわゆる「建設業許可名義貸し」行為
実務経験や勤務実態を捏造した「建設業許可虚偽申請」

これらはいずれも法律違反であり、後から発覚すると取り消し・罰則対象になります。一度取消となると、その後5年間新規申請すらできない可能性もありますよ。

更新忘れ＝再取得扱いに？！

ありがちなミスに「建設業許可期限切れ」があります。更新申請は有効期限30日前まで必須なので、それを逃すと一度失効となり、新しく最初から取り直す必要が出てきます。忙しい時期でも、この時期だけは確実に忘れないようアラート設定しておくのがおすすめです。

建設業許可申請を成功させるためのガイド

建設業の許可申請を初めて行う際には、その複雑さに戸惑いがちですよね。しかし、確かなステップバイステップのガイドがあれば不安は解消されます。まず、許可の種類や区分、業種を決めることから始めましょう。そして、許可要件の事前確認や必要な書類収集・作成が肝心です。特に、人的要件や財産的要件などが重要ポイントです。

上記で紹介した手順をしっかりと理解し、書類の不備を避けることで、許可申請がよりスムーズに進むことでしょう。そして、許可通知書が届くまでの待機時間も積極的に活用して、必要な事後届出や更新手続きの準備を忘れずに。

手続きが複雑で不安になりがちですが、一歩一歩着実に進めれば、必ずや許可取得につながります。あなたの建設業としての夢を形にする手助けとなれば幸いです。

カテゴリー: 建築業許可