決算変更届を出さないと捕まる!?そのリアルとは

建設業許可を取得すると毎年、決算変更届を提出することは義務です。
社長さんによっては初めて聞いたぜ!と思うかもしれません。県によって呼び方は変わりますが、必ずあります。
でも、「知り合いの社長に聞いてもみんな出してないって言うよ?」
と思われるのではないでしょうか。決算変更届は建設業にとって重い意味を持っています。「まーた、先生がめんどくせぇこといってらぁ」と思うでしょうが、メリット・デメリットも書くのでぜひ見てってください。
決算変更届とは?
毎年の売上や工事内容が書かれている
細かい内容は記事がたくさんあるので説明を省きますが、大事なことは1年間どんな工事をしたのか、経営状況はどうなのかが分かるようになる点です。そもそもなんでクソめんどくさい制度があるかというと、仕事を依頼する人がヤバい業者かどうか調べることができるようにするためです。
「仕事を依頼する人のためのルール」
ここがキモです。
なので、少なくとも許可を持っている県の県庁等にいけば閲覧することができます。私もすでに許可を持っている社長とお会いする前に調べることがあります。私が自分の顧客に紹介する前に見ることもあります。
罰則はあるし、マジで取締りもされる
全国的に厳罰化傾向です
民法、労働基準法などの数ある法律の中で、社長を縛っているのは建設業法です。建設業法を普段意識することは少ないですよね。私も施工管理や作業員、総務をやってましたが意識したことはありません。
でも、現場看板も施工体制も建設業法に書かれてます。
っていうと、ちょっと身近?かもしれませんね。
社長にとって気になるのは違法かどうかよりも、取締りされるかですよね。
結論からいうと、決算変更届を出さないと取締られますし、全国公開されます。従来は西日本が厳しかったのが、ドンドン関東圏も取締られて行っているようです。
6ヶ月以下の懲役または100万円以下の罰金
決算変更届を出さないとどれだけの量刑なのかというと、6ヶ月以下の懲役または100万円以下の罰金です。私は多くの法令を見てきましたが、これは重いカテゴリーです。建設業という公益性が高いものなので、届出なのにスゴい重いです。
しかも、これを食らうと建設業許可も取消しというコンボ。
鬼ですよね。
とはいえ、よほど悪質でなければ指示や勧告などで留まるでしょう。
それでも公開されるのはリスクと言えます。
決算変更届は見られている
ちゃんとしている会社は出している
すでに書きましたが、建設業許可の閲覧制度を知っている人は決算変更届を見ています。そこで決算変更届が出されていない会社に出くわすと「ヤベェかもこの会社…」という印象が真っ先に来ます。
そういった会社と取引するのはためらうでしょう。
しかも、大手、ハウスメーカー、士業など大口案件を持ってきてくれる人たちに限って閲覧します。建設業許可を持っているのは当たり前、じゃあ「中身はどうだと調べるのは当然です。毎年、行政書士に資料を渡す手間を惜しんだ、たったそれだけで数億円の仕事が吹き飛んでいる可能性があります。
売上とイメージUPになる
電子申請が普及する中で、全国から決算変更届が見られるようになっていきます。決算変更届を活用すればアピールになります。自分がどんな取引先と仕事をしているのか、売上はどのぐらいで利益はあるのかを見せつけられるんですよ。
もしかしたら、取引先の営業で持って行ってもいいかもしれません。
もし、まだ目立った取引先がなかったとしても財務資料から読み取れることはたくさんあります。例えば、銀行は社長がどうお金を使うか関心を持っています。融資したお金が遊びに使われていると分かれば、次の対応は悪くなります。取引をしたいと思う相手も同じです。自分とビジネスをする相手が、どういうお金の使い方をするのか関心はあります。
5年分まとめて出すのはオトク?
毎年出さないと5年に1度の更新ができない
毎年の決算変更届を出さないと5年に1度の許可更新ができません。5年まとめて決算変更届を提出して更新申請することもできますが、良いことはあまりありません。身も蓋もないこといいますが、書類の準備が間に合わず許可取消しになることもあります。
いや、だって、想像してみてくださいよ社長。
過去5年分の注文書や請求書とか引っ張り出してきて、売上が高い順に工種ごとに仕分けて、決算書と照らし合わせるんですよ。さらに県庁に突っ込まれても大丈夫なようにチェックするんですよ。
「あっもう請求書なんて無ぇわ」って思ったんじゃないですか。
そうこうしているうちにタイムアウト…。あるあるです。
たくさん依頼すれば安くしてくれる→そうはならない
仕事のボリュームが多ければ安くなるのはビジネスの基本。どうせ行政書士に頼むなら、5年分まとめて頼んだ方が手間かからないし安くなるんじゃない?…と、思われがちですが、決算変更届を5年分いっぺんにやるのはむしろ手間が食います。たしかに書類のやり取りの数は減りますが、矛盾のないように調べるのが大変。

社長、5年前に何やってたか覚えてますかいな…。
それ、他人にやらせて他人が分かりますか???
決算書も全部見るんですよぉ。
ってことで、技術力も試されますし、いつもより疲れます。割増料金となるのがスジってもんです。でも、割引しますよっていう行政書士もいたりします。そらぁ、そんくらいの内容の仕事をする人ってことっすよ。
自分も適当に書いて出すこともできなかないですけど
「へーー全然工事やってねーんだ、大したことねぇじゃんこいつ」って思われるんですよ。
いやでしょ、それ。自分の顧客がそう思われるのは俺はいやです。
許可が取り消されてしまうリスクが上がる
5年間は長いです。小学1年生が6年生にあがるぐらい長い。その間に何も起きないわけがない。役員が変わったりなんやかんやしてます。行政書士は毎年の決算変更届を見ながら、会社のメンテナンスをしています。
一番ヤバいのは許可要件を失っていたりした場合。毎年やりとりをしていれば、代変わりなど気づけます。それが更新のタイミングで許可要件を失っていて更新できない。あるあるなんです、本当にあるある。
始末書は処分に影響するかも?
期限を過ぎて提出する場合には始末書を出します。私はお客様の控えには付けてませんが、役所には提出しています。始末書を役所はちゃんと保管してるんですよ。
では、どんなときに使うかと言うと、悪いことが起きたときです。
ずっと真面目にやっていた会社がミスっても「しかたない」と思います。でも、始末書だらけの会社だったらどうでしょうか。役所の心象はメチャクチャ悪いです。結果がどうなるかは想像の通りです。
おまとめ割引は違法への誘導になる
当事務所は決算変更届の5年分の提出でも割引はしていません。
内容によっては割増となります。
「違法にやってたほうがオトクじゃん!!」と社長に思って欲しくないからです。今まで言い続けてるように、デメリットのほうが大きいんですよ、これ。
逆に、まとめ割りしますよ!社長どうですか!!という行政書士はどうでしょうか。
社長を金づるだと思ってるだけなんですよ、結局。自分も建設業者だったんでそういうセールスはイライラするんです。社長にオトクだと思わせておいて、リスク背負わせてるわけじゃないっすか。
だから悪いんですけど、ここは悪い虫を潰すためだと思って目をつぶってください。
行政書士に会えばビジネスチャンスにつながる
私は社長のところに行くときに財務分析、業者の紹介、採用、トレンドなどの話をします。
逆に困っていること、何したいかとか言ってください、可能な限り紹介します。
当事務所は報酬以上の紹介やプラスを提供することをモットーにしてます。決算変更届の相場は約4万円なので手続き依頼したら元が取れるかもしれません。特に、行政書士は業務範囲が広く様々な相談に対応できるのでオススメです。
逆に手続きだけやってる行政書士に価値ないですよね。
正直、手続きってコストが発生するだけなんでやりたくないじゃないですか。それは僕だって思います。そういえば、ある解体業の社長と「俺達は似てますよね」と笑ったことがあります。
お互いにコストを圧縮したいと思われるポジションだからです。
その解体業の社長は解体前の検査や処分方法が丁寧で応対もよくて高くてもお願いしますとシェアを伸ばしています。当事務所も少しでも価値を生み出したいと思っています。そんな事務所をパートナーにしませんか?
決算変更届を毎年出そうと言う行政書士と付き合う
誰をパートナーに選ぶかは社長が決めることです。
ただ、5年分まとめて出せばいいんですよと平然という行政書士は止めてください。
社長を危険な目に合わせて自分だけいい思いをしようと思っているってことです。
そこだけ覚えておいて頂ければ今回はOKです!

なんか面白いやつだなと思ったら連絡ください!
別に手続きなくてもお会いしたいんで!