建設業許可変更届の完全ガイド 提出期限から必要書類までミスなく済ませる方法

役員が変わった、営業所を移転した―そんな時に頭をよぎるのが「建設業許可の変更届、どう出せばいいんだろう?」という不安ではありませんか。期限を過ぎれば罰則、書類を間違えれば再提出…。実務を抱えるあなたにとって、確実でミスのない手続きこそが安心への近道です。このガイドでは、その不安を一つずつ解きほぐしていきます。

建設業許可変更届とは?提出が必要なケースと届出義務

建設業許可変更届とは?提出が必要なケースと届出義務

建設業許可変更届は、建設業法に基づき許可を受けた後に会社情報や経営体制に変更が生じた際、行政庁へ報告するための法定手続です。

根拠となるのは建設業法第11条および第50条であり、届出を怠った場合は6か月以下の懲役または100万円以下の罰金の対象となる可能性があります。

届出先は「許可を受けた行政庁」と定められており、知事許可の場合は都道府県、大臣許可の場合は地方整備局(関東地方整備局など)へ提出します。

この届出は、変更届と申請の使い分けにも注意が必要です。

許可の内容自体を拡大・追加する場合(たとえば業種追加)は「申請」ですが、会社情報や体制の変更など、既存の許可を維持したまま内容を修正するのが「変更届」です。

また、更新手続との違いとして、更新は5年ごとの許可有効期間を継続する行為であり、変更届は発生の都度行う義務手続という点が異なります。

届出が必要となる具体的なケースは以下の通りです。

  • 商号・名称の変更
  • 資本金額の変更
  • 代表者・役員(就任・退任・氏名変更など)の変更
  • 営業所の新設・廃止・移転(所在地・電話番号・郵便番号含む)
  • 専任技術者や常勤役員体制の変更(経営業務管理体制の変動を含む)

これらの変更が発生した場合、速やかに建設業許可変更届を提出することで、建設業法に基づく届出義務を適正に履行することが求められます。

建設業許可変更届の提出期限とスケジュール管理

建設業許可変更届の提出期限とスケジュール管理

建設業許可変更届を遅れずに提出するためには、変更内容ごとの提出期限を正確に把握しておくことが最重要です。

商号・所在地・代表者・役員などの変更は、変更が生じた日から30日以内に届け出なければなりません。

この「30日以内」という期限は、経営業務体制の変更や専任技術者の交代など、経営基盤に関わる多くの項目に共通して適用されます。

一方、「建設業法施行令第3条」に規定される支配人・使用人の就任・退任・変更は、より短く設定されており、2週間以内の届出が義務づけられています。

また、毎事業年度終了後には「決算変更届(事業年度終了届)」を、4か月以内に提出する決まりです。

これを怠ると、行政庁からの指導や理由書の提出を求められる場合があります。

以下のtableは主な届出期限をまとめたものです。

変更内容 提出期限 提出先
商号・所在地・代表者・役員の変更 30日以内 許可を受けた行政庁(知事または地方整備局)
支配人・使用人の就任/退任/変更 2週間以内 同上
決算変更届(事業年度終了届) 事業年度終了後4か月以内 同上

提出期限とスケジュール管理のポイントとして、役員変更の届出期限を経営陣交代日から30日以内に設定するなど、社内での管理フローを定期的に見直すことが推奨されます。

とくに年度終了報告の期限である決算変更届の時期は、経理処理や証明書類の準備に時間がかかるため、余裕をもって準備を始めるのが安全です。

変更内容が複数同時に発生する場合は、1件ごとの期限を確認し、提出が遅れないようスケジュール表で管理することが建設業法上のリスクを防ぐ最善策となります。

建設業許可変更届に必要な書類と添付資料一覧

建設業許可変更届に必要な書類と添付資料一覧

建設業許可変更届を提出する際は、変更の内容に応じて添付資料が異なります。

どのケースにも共通して求められるのは、変更内容を客観的に証明する根拠書類です。

以下のリストは、知事許可・大臣許可(関東地方整備局管内)いずれにも対応した実務的な必要書類一覧です。

  • 登記事項証明書(商号・役員変更時)
  • 代表者印鑑証明書
  • 定款写し(内容変更があった場合)
  • 賃貸借契約書または建物登記簿謄本(営業所移転・新設時)
  • 営業所位置図や案内図
  • 営業所技術者証明書(様式第8号/専任技術者変更時)
  • 経営業務体制確認資料(様式第7号/常勤役員等の変更時)
  • 工事経歴書(様式第2号、決算変更時)
  • 財務諸表類(貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書)
  • 納税済額証明書(関東地方整備局提出時は国税の法人税証明)
  • 委任状(代理人が提出する場合)

これらは変更届(様式第22号の2)や決算変更届(別紙8)に添付して提出します。

提出先は「許可を受けた行政庁」であり、知事許可は都道府県、大臣許可は地方整備局(例:関東地方整備局 建設産業第一課)へ提出します。

以下のtableでは、主な提出書類と対応する変更内容・注意点を整理しました。

書類名 対象となる変更 注意点
登記事項証明書 商号・本店所在地・役員の変更 登記完了後の最新写しを添付
定款写し 商号・目的・所在地等の定款変更 変更後全文を提出
賃貸借契約書/建物登記簿謄本 営業所の新設・移転・廃止 所在地を証明する資料として必須
工事経歴書 決算変更届(事業年度終了後) 様式第2号、工事実績の明細を記載
委任状 代理人提出時 申請者押印済みの原本を添付

提出時は記入漏れ・押印漏れを必ずチェックし、証明書の有効期限(発行後3か月以内)にも注意してください。

不備があると差し戻されるため、上記チェックリストをもとに事前確認を行うのが確実です。

建設業許可変更届の提出先と手続きの流れ

建設業許可変更届の提出先と手続きの流れ

建設業許可変更届の提出先は、許可の区分によって異なります。

知事許可の場合、提出先は「許可を受けた都道府県」の建設業担当課です。

群馬県であれば県庁の建設企画課が窓口となります。

一方、大臣許可の場合は国土交通省ではなく、「地方整備局」が管轄です。

関東圏では関東地方整備局 建設産業第一課が正式な提出先になります。

都道府県庁の窓口に出しても受理されないため、許可元の行政庁を必ず確認してください。

届出方法は原則として郵送または持参のどちらかで、正本1部を提出する形が一般的です。

受領印が必要な場合は、提出書類のコピー1枚(副本)と返信用封筒を同封しておくと確実です。

電子申請のやり方については現時点では正式な運用が確認されておらず、関東地方整備局でも紙による提出が原則です。

自治体によって電子受付の試行が行われている地域もありますが、利用可否を窓口で確認してから進めるのが安全です。

書類提出後は控えを保管し、次の更新や決算届で再利用できるよう整理しておくと後の手続きが楽になります。

以下の手順で進めると、ミスのない届出が可能です。

  1. 届出書類を作成(様式第22号の2を使用)
  2. 添付書類を確認し、案件ごとに綴じ込み
  3. 提出先(都道府県/地方整備局)へ郵送または持参
  4. 受領印付き控えを保管

なお、決算変更届(事業年度終了届)は、通常の変更届とは別に事業年度終了後4か月以内に同じ提出先へ提出します。

この手続きも管轄は同じく「許可を受けた行政庁」となりますので、混同しないよう管理することが重要です。

決算変更届(事業年度終了届)の提出内容と作成ポイント

決算変更届(事業年度終了届)の提出内容と作成ポイント

決算変更届とは、建設業許可業者が毎事業年度終了後4か月以内に提出する義務のある年次報告書で、「事業年度終了届」とも呼ばれます。

単なる会計報告ではなく、建設業法第11条に基づく経営実態の報告手続であり、提出内容は次年度以降の経営事項審査(経審)にも直結します。

提出先は許可を受けた行政庁(知事許可=都道府県、大臣許可=関東地方整備局など)です。

提出書類には、直近事業年度の財務諸表一式、工事実績を示す工事経歴書、納税済額証明書などが含まれます。

関東地方整備局管内の大臣許可では、法人税・所得税の納付済額証明書(国税)を添付する決まりがあります。

納税証明は最新年度分を取得し、資料の齟齬が発生しないよう注意してください。

以下のtableは代表的な添付資料と作成上の注意点です。

書類名 様式番号 作成時の注意点
工事経歴書 02号 直近年度の工事件数・契約金額を正確に記載し、元請・下請を区別
工事施工金額内訳書 03号 業種別・受注区分別(元請・下請)に内訳を整理
損益計算書 16号 売上・経費・当期利益の整合を確認し、税務申告と一致させる
貸借対照表 15号 資産・負債・純資産のバランスを点検、前年数値との整合を確認

決算報告書の作成ポイントとしては、経審に影響する「完成工事高」「自己資本比率」「利益金額」の3項目を正確に記載することが最重要です。

経営事項審査は、提出した決算変更届の内容を基に財務評価点を算出するため、数字の誤記や端数処理の不備は直接減点につながります。

また、工事経歴書 作成方法にも要注意です。小規模案件を含めた全工事を正確に記入し、完成工事と未成工事を明確に区分することが求められます。

各工事の請負金額や完成年月日、発注者区分などを省略すると補正指示が入ることがあります。

提出前の最終チェックでは、決算月と報告期間の整合、添付資料の押印・日付漏れ、納税証明の有効期間(発行後3か月以内)を必ず確認してください。

これらを徹底することで、経審手続にスムーズに連携でき、行政庁からの補正指示を防ぐことができます。

建設業許可変更届でよくある不備と再提出対策

建設業許可変更届では、書類不備により補正指示や再提出を求められるケースが少なくありません。

実務上、最も多い不備例と防止策を把握しておくことが、提出を一度で完了させる最大のポイントです。

よくある不備と対策は次の通りです。

  • 登記事項証明の旧データ使用:変更登記が完了していない古い証明書を添付しないよう、発行日が3か月以内の最新のものを準備します。
  • 代表者印鑑証明の期限切れ:有効期間内(発行から3か月以内)の印鑑証明書を使用し、代表交代日から日付がずれないよう注意します。
  • 委任状の押印漏れ:代理提出の際に申請者印の押印を忘れる事例が多く、署名・押印双方を確認してから提出します。
  • 財務諸表の金額整合性不足:貸借対照表と損益計算書、工事経歴書の数値に不一致があると補正対象となるため、最終確認を徹底します。
  • 添付資料の抜けや順序ミス:提出順序が公式手引きと異なる場合も受理保留となるため、様式番号順に綴じて整理します。

書類不備時の再提出手順としては、行政庁から補正指示書が送付され、原則7日程度以内に修正・再提出するよう求められます。

補正指示の対応期限を過ぎると行政指導対象となる場合もあり、連絡なしで放置すると手続停止や更新審査で不利になることがあります。

届出や補正を怠ると、建設業法第50条により6か月以下の懲役または100万円以下の罰金等の罰則と過料のリスクがあります。

そのため、提出前には第三者(行政書士等)による書類内容チェックを受けることが、再提出防止の実務的な最善策といえます。

建設業許可変更届の作成代行・行政書士への依頼メリット

建設業許可変更届は、書類の不備や提出期限の遅れが直接リスクにつながる手続です。

そのため、「変更届 作成代行サービス」を行政書士に依頼する企業が年々増えています。

では、専門家に頼むとどんな利点があるのでしょうか。

まず気になるのが費用です。

行政書士に依頼する費用は、知事許可でおおよそ2万円〜5万円程度、大臣許可では5万円〜8万円程度が一般的な相場になります。

これは公的手数料を含まない金額で、行政庁への提出そのものは無料です。

支払うのは、書類作成・確認・提出を代行してもらう報酬にあたります。

依頼時の手順はシンプルです。委任状を作成し、代理人による提出方法を選択します。

「委任状の書き方」は行政書士がテンプレートを提示してくれるため、自社で一から作る必要はありません。

代理提出の場合、正本1部に委任状を添付し、記録の残る郵送方法(レターパックプラスや書留)で提出するのが推奨です。

行政書士に「変更届 作成代行サービス」を依頼する主なメリットは次の通りです。

  • 不備ゼロでのスムーズな受理
  • 最新法令に基づく正確な記載指導
  • 登記事項証明書や定款変更との整合性確認
  • 提出期限の管理とリマインド対応
  • 書類保管・副本返送までの一括サポート

特に、行政書士は様式第22号の2の記載や添付資料チェックに長けており、登記変更や経営業務体制の確認資料まで整合を取ります。

期限管理や再提出対応まで一任できるため、社内での人手・確認コストを大幅に削減できる点は大きな魅力です。

建設業許可変更届で失敗しないためのまとめ

ここまで、建設業許可の変更届が必要となるケースや、提出期限、必要書類、そして提出方法まで順を追って整理してきましたね。実務を担当する方にとって重要なのは、「いつ・どんな変更が・どの書類で・どこに提出すべきか」を正確に把握することです。その理解があれば、提出遅延による罰則や、不備での再提出という手間を避けられます。

変更届は、代表者や役員、専任技術者、営業所などの変更から、毎年の決算変更届まで多岐にわたります。いずれも届出の遅れは許可維持に関わるため、早めの準備と確認が肝心です。特に自治体や許可の区分(知事許可・大臣許可)によって提出先や様式が異なる場合があるので、最新の情報を確認しておくことが失敗を防ぐ第一歩です。

結論として、建設業許可の変更届を正しく提出するためには、

  1. 発生した変更内容を正確に把握すること
  2. 提出期限を過ぎないようスケジュール管理すること
  3. 添付書類の抜け漏れがないよう慎重に準備すること
    が不可欠です。

もし迷いや不安がある場合は、専門家のサポートを活用しながら手続きを進めると安心ですよ。これにより、書類不備や期限超過といったペインポイントを確実に解消でき、日常業務にも余裕を持って臨むことができます。建設業の安定運営と許可の維持、その両方を支える最短ルートは「正確で丁寧な法的手続き」です。

よくある質問

建設業許可変更届とは何ですか?
建設業許可変更届は、建設業法第11条および第50条に基づき、建設業の許可を受けた後に会社情報や経営体制などに変更が生じた際に行政庁へ提出する法定届出です。商号変更や代表者交代、営業所の移転などが該当し、提出を怠ると懲役や罰金の対象になる場合があります。
建設業許可変更届の提出期限はいつですか?
商号や所在地、代表者、役員の変更は変更発生日から30日以内、支配人や使用人の就任・退任は2週間以内に届け出る必要があります。また、決算変更届(事業年度終了届)は、各事業年度終了後4か月以内の提出が義務づけられています。
建設業許可変更届の提出に必要な書類は何ですか?
登記事項証明書、代表者印鑑証明書、定款写し、営業所の位置を示す資料(賃貸借契約書や登記簿謄本)、専任技術者証明書、経営業務体制確認資料などが必要です。変更内容によって添付資料は異なり、発行から3か月以内の最新書類を添付する必要があります。
建設業許可変更届を提出し忘れた場合どうなりますか?
届出を怠ると、建設業法第50条により6か月以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があります。また、行政庁からの指導や補正指示、次回の更新審査で不利な扱いを受ける場合もあるため、期限厳守が重要です。
建設業許可変更届を行政書士に依頼するメリットは?
行政書士に依頼することで、書類不備や提出期限遅れを防ぎ、スムーズな受理が期待できます。最新法令に基づく記載内容のチェックや添付資料の整合性確認、期限管理などを一括して任せられるため、社内の負担軽減にもつながります。知事許可で2〜5万円、大臣許可で5〜8万円ほどが一般的な代行報酬の相場です。