建設業許可ない場合の罰則や信用低下を防ぐための実践ガイド

最近、建設業許可を持たずに請け負った工事が「違法になるのでは」と不安を感じていませんか。知らずに申請が必要な工事を行ってしまい、罰則や信用問題に発展するケースは少なくありません。このガイドでは、建設業許可がない場合に起こり得るリスクを整理し、今すぐできる実践的な対策をわかりやすく解説します。

建設業許可とは?無許可営業が問題となる理由

建設業許可とは?無許可営業が問題となる理由

建設業許可とは、建設業法に基づき、一定の技術力・財務基盤・経営管理体制を持つ事業者にのみ与えられる国家資格のような営業許可制度です。
戦後の無秩序な施工や契約トラブルを防止するために導入され、工事の品質確保と発注者保護を目的としています。
この制度により、建設業を営む者は「信用性」と「管理能力」を法的に証明할ことができます。
無許可のまま建設工事を請け負うと、建設業法第3条違反となり、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科されるおそれがあります。
また、こうした無許可営業は単なる法令違反にとどまらず、契約トラブル、金融機関や元請からの信用喪失にもつながります。
さらに、行政処分や公共調達からの排除といった実務的な不利益を受けるリスクも非常に高いです。
建設業法の基礎解説として押さえておくべきなのは、許可は全国で統一された枠組みでありながら、営業範囲によって申請先や区分が異なるという点です。
営業所が同一都道府県内にある場合は知事許可、複数都道府県にまたがる場合は大臣許可が必要です。
また、建設業許可は29業種に分かれており、業種ごとに申請しなければなりません。
以下は、主な許可の種類です。

  • 一般建設業許可:自ら工事を施工하거나、軽微な下請を行う場合に必要です。
  • 特定建設業許可:発注者から直接請け負い、その一次下請代金の総額が4,500万円以上(建築一式は7,000万円以上)になる大規模工事を行う場合に必要です。
  • 知事許可・大臣許可:営業所の所在範囲により申請先が異なります。

こうした許可制度があることで、工事品質や安全性が担保され、発注者が安心して事業者を選べる環境が維持されています。
そのため、建設業許可がない場合、単に罰則を受けるだけでなく、社会的信用を失う大きなリスクを抱えることになるのです。

建設業許可がない場合の罰則と行政処分

建設業許可がない場合の罰則と行政処分

無許可で建設工事を請け負った場合の罰則は、建設業法第3条違反として「3年以下の懲役または300万円以下の罰金」です。
これは個人だけでなく法人にも両罰規定が適用され、経営者と会社の双方が処罰の対象となります。
つまり「知らなかった」や「一度だけの請負だった」という言い訳は通用せず、刑事事件扱いになる可能性が高いということです。
実際に法違反が発覚した場合、刑事罰だけでなく行政処分も科されます。
代表的なのは営業停止命令や指示処分で、許可を取得して再スタートを切る際にも「過去の違反歴」が審査に影響します。
この履歴は自治体や国土交通省の管理台帳にも残るため、再許可申請時に不利に扱われるケースが多いです。
営業停止命令の流れとしては、まず監督官庁から事実確認・聴聞が行われ、その結果違反が確定すると、営業の全部または一部を一定期間停止する処分が下されます。
命令を無視して再び営業した場合、さらに重い刑事罰や再許可拒否に発展するおそれがあります。
無許可営業が与える信用低下も非常に深刻です。
たとえ罰金を支払っても、元請や発注者からの取引停止、金融機関の融資制限、公共工事指名の除外といった形で、事業の継続が困難になります。
このため、違反が発覚した際は、すぐに行政書士や弁護士などの専門家に相談し、再発防止計画と許可取得の手順を整えることが重要です。
主なポイントをまとめると次の通りです。

  • 無許可で工事をした場合の罰則:3年以下の懲役または300万円以下の罰金(法人にも適用)
  • 行政処分の種類と対処例:営業停止命令・指示処分・再許可審査での不利など
  • 無許可営業が与える信用低下:取引停止・融資制限・公共工事排除による経済的損失

建設業許可が不要な工事の基準とは?

建設業許可が不要な工事の基準とは?

建設業を営むうえで最も誤解が多いポイントの一つが、「どんな場合に建設業許可が不要なのか」という点です。
結論から言うと、許可不要とされるのは建設業法上の「軽微な建設工事」に限られます。
建設業許可不要工事の具体的範囲は、工事の種類と請負金額によって明確に区分されています。
建築一式工事に該当する場合は、次のいずれかの条件を満たせば許可不要となります。

  • 1件の請負代金が1,500万円未満(税込)
  • 延べ面積150㎡未満の木造住宅の新築工事

それ以外の土木・電気・内装など、建築一式以外の工事の場合は「1件あたりの請負代金が500万円未満(税込)」であれば許可不要です。
以下のtableでは、工種ごとの許可不要とされる軽微工事の基準を整理しています。

工事区分 許可が不要となる基準
建築一式工事 請負代金1,500万円未満(税込)または延べ面積150㎡未満の木造住宅新築工事
その他の工事(内装・電気・舗装など) 請負代金500万円未満(税込)

また例外的に、「附帯工事」や「完成を請け負わない業務(資材販売のみ・設計のみなど)」は、建設業許可不要とされることがあります。
ただし、附帯工事は主たる工事に直接関連し、一体的に行われる場合に限ります。単独で行うと許可が必要になるケースもあります。
小規模リフォームでは、「キッチンの交換」「壁紙貼替え」「ユニットバスの入替え」などは多くが軽微工事の範囲に入ります。
しかし、増築や構造補強を伴う施工では500万円を超えることが多いため、許可が必要です。
類似事例として、内装リフォームで設備工事を含む場合に総額が基準を超え、無許可施工と判断された判例も存在します。
したがって、工事金額や内容が軽微工事に該当するか迷う場合は、必ず事前に専門家へ確認し、建設業許可不要工事の具体的範囲を明確にしておくことが重要です。

軽微工事でも注意!許可境界を誤るリスク

軽微工事でも注意!許可境界を誤るリスク

「小さい工事だから建設業許可はいらない」と思っていませんか?
結論から言うと、軽微工事であっても請負金額の合算や附帯工事を含めることで、実質的に許可が必要なケースが多くあります。
建設業法では、建築一式以外の工事では「1件の請負代金が500万円未満(税込)」であれば許可不要と定めていますが、これはあくまで500万円未満の例外法令として限定的に認められているものです。
たとえば、500万円未満であっても電気・設備などの工事を統合して一括で請け負うと、合算金額が基準を超え「許可必須」になります。さらに、「附帯工事」が主たる工事と不可分な場合も、許可対象と判断されやすくなります。
この判断を誤ると、発注者との契約が無効とみなされるおそれがあり、代金請求が認められないリスクも発生します。これが許可必須でない案件の具体例を見たときの最も大きな落とし穴です。
以下は、誤解しやすい事例を整理したものです。

  • 住宅の外壁塗装(見積総額480万円)に足場・電気修繕が含まれ、最終的に520万円に到達したケース
  • 内装リフォームで下地補修・機器設置など複数業種を一括請負した結果、実質的に建築一式工事扱いとなったケース
  • 個人経営者が「材工分離」で見積りを分けたが、完成を請け負ったと判断され無許可とされたケース

無許可工事が発覚した場合、行政からの是正指導や営業停止命令など無許可施工の行政罰実例として処理されることがあります。
さらに、施主が損害を受けた場合には無許可工事に対する消費者救済方法として、返金請求や損害賠償が提起される可能性もあります。
したがって、契約前に請負金額・工事範囲を正確に確認し、軽微工事の基準を超えそうな場合には、必ず専門家へ事前相談することが安全です。

無許可営業が発覚した場合の正しい対処法

無許可営業が発覚した場合の正しい対処法

無許可で施工していたことが判明した場合、最初に取るべき行動は「現場の即時停止」と「専門家への相談」です。
建設業法第3条違反に該当する可能性があるため、放置すると懲役や罰金の対象となるおそれがあります。
ここでは、行政対応から再許可の準備まで、段階的な対処方法を示します。

  • 工事の停止と現状報告の整理
    無許可状態が確認された段階で工事を中断し、契約書・見積書・請求書などの資料を整理します。
    これにより違反の範囲を明確にし、後の行政手続きで経緯説明が容易になります。

  • 行政からの是正勧告対処法を確認する
    監督官庁(都道府県または国土交通省)から「是正勧告」や「報告命令」が出される場合があります。
    指示を無視すると営業停止命令に発展することもあるため、求められた内容書類は期限内に提出し、改善計画を添付するのが基本です。

  • 無許可業者発見時の通報先を把握する
    自社内で他社の無許可施工を見つけた場合、管轄の建設指導課や国土交通省地方整備局に通報します。
    営業停止中や虚偽表示を伴うケースでは、速やかな通報が義務的措置として求められることもあります。

  • 無料相談窓口と相談方法を活用する
    群馬県を含む各自治体では、建設業許可に関する無料相談を随時実施しています。
    電話や予約制の対面相談のほか、行政書士会による「建設業許可サポート窓口」を利用することで、改善手順や申請要否を確認できます。

  • 行政書士が果たす役割を理解する
    行政書士は、無許可営業後の是正計画書作成や再許可申請の事実経過報告、必要書類の整備を代行します。
    さらに、決算変更届・社会保険加入状況の整備など、再発防止に必要な継続管理も支援します。
    これらの対応を早期に進めることで、再許可審査時の不利を最小化し、信用低下の連鎖を防ぐことができます。

建設業許可を取得する手順と必要書類

建設業許可の取得方法は、無許可営業を解消し、安定的に建設事業を継続するための最初のステップです。
具体的には、要件を満たす体制を整え、必要書類を準備し、管轄庁(都道府県または国土交通省)へ申請を行います。

許可取得の基本手順

  1. 要件の確認
    建設業法上の主な許可要件は以下5点です。
  • 経営業務を適正に管理できる能力(常勤役員等または補佐体制)
  • 専任技術者の配置
  • 請負契約上の誠実性
  • 財務基盤(自己資本500万円以上、または同額の資金調達能力)
  • 社会保険加入状況の適正

特に経営業務の管理責任者の条件として、常勤役員等が同種工事に関する5年以上の経営経験を持つこと、またはこれを補佐する体制が確立していることが要求されます。
技術者要件については、工種ごとに資格区分が指定されており、監理技術者や専任技術者が常勤で配置されている必要があります。

  1. 申請書類の準備
    許可申請には、企業の法的・財務的基礎を示す多数の資料が必要です。提出前に最新様式を確認することが重要です。
必要書類 提出目的
定款・登記簿謄本 法人形態・役員資格確認
決算書・資金証明 財務基盤の裏付け
技術者資格証明 専任技術者の要件確認
社会保険加入証明 適正事業運営の確認
営業所写真・平面図 実体ある事業拠点であることの証明
  1. 申請先と審査機関
    営業所が1都道府県内で完結する場合は知事許可、複数都道府県に事業所がある場合は大臣許可を申請します。

  2. 費用と期間の目安
    許可取得にかかる費用は申請区分によって異なります。
    一般建設業での大臣許可新規申請は登録免許税15万円、知事許可は都道府県の手数料規定に基づきます。
    審査期間は群馬県の運用実績で概ね約1か月が目安とされています。

  3. 申請後の実務対応
    書類に不備があると受理されず審査が遅延するため、行政窓口での事前確認が推奨されます。
    許可取得後は、決算変更届や人事異動に伴う変更届の提出が義務づけられます。怠った場合は、6か月以下の懲役または100万円以下の罰金対象になるため、継続的管理が必要です。
    許可申請は一度きりではなく、その後の維持・更新手続きが伴います。したがって、申請時点で必要な書類を揃えるだけでなく、社内体制の整備と情報更新の仕組みを構築することが長期的な信頼確保につながります。

許可取得後の継続管理と再発防止策

建設業許可を取得しても、更新や届出を怠ると結果的に無許可状態になり、再び罰則の対象になるおそれがあります。
建設業法では、許可の有効期間は5年間と定められており、満了日の3か月前から30日前までに更新手続きを完了させなければなりません。
この期間内に申請すれば、審査が完了するまで従前の許可が有効とみなされ、事業を継続できます。
更新を忘れたり、経営責任者や専任技術者の変更届を出し忘れると、建設業法第50条違反に該当し、6か月以下の懲役または100万円以下の罰金に処される可能性があります。
こうした更新漏れや変更届の未提出は、形式上の違反であっても「法令遵守意識が低い」と見なされ、再許可時・公共工事入札時の評価にも悪影響を及ぼします。
したがって、有効期間と期限管理の方法を社内で制度化しておくことが必須です。
以下は、許可維持のための更新手続きのチェックリストです。

  • 許可満了日の3か月前に更新準備を開始するスケジュールを設定する
  • 決算終了後4か月以内に「決算変更届」を提出する
  • 経営業務の管理責任者・専任技術者の人事異動を即時確認し、変更届を提出する
  • 許可証の写しを社内で保管し、提出を義務化する
  • 年次で有効期間と資格者一覧を点検する運用をルール化する
  • 見積段階で請負金額をチェックし、無許可工事リスクを排除する

これらの手順は、取引停止リスク回避手順としても機能します。
更新や変更届を怠ると、銀行融資の審査や元請との取引契約で「適格証明不備」とされ、即時取引停止のリスクが発生します。
一方で、継続的な法令管理体制を構築すれば、企業の信用対策にも直結します。
さらに再発防止策として、内部体制構築による取得準備を常設化するのが効果的です。
たとえば、経営管理担当者を中心に「許可管理担当」を設け、決算報告・人事変更・工事契約チェックを統合管理することで、無許可状態への逆戻りを未然に防げます。
結果として、行政対応の負担を軽減し、取引先からの信頼度を着実に高めることができます。

建設業許可ない場合に知っておくべき最終ポイント

建設業許可を持たずに工事を行うと、たとえ小規模な施工であっても、請負金額や工事内容によっては建設業法違反となる可能性があります。罰則は重く、3年以下の懲役または300万円以下の罰金といった刑事罰が科されることもあります。また、行政処分を受けた事実は長く残り、公共工事や元請との取引に影響し、信用を大きく損なう原因になります。

一方で、建設業法では「軽微な工事」に該当する場合には許可が不要とされています。具体的には、建築一式工事で1,500万円未満(消費税を含む)、または延べ面積150㎡未満の木造住宅の新築工事が該当します。それ以外の専門工事では、1件あたりの請負額が500万円未満であれば許可不要です。ただし、工事が軽微に該当するかの判断には細かな条件がありますので、自己判断は避けた方が安全です。

無許可の状態で施工してしまった場合は、すぐに業務内容を整理し、過去の契約書や金額の確認から始めることが重要です。行政への相談や、専門家による申請戦略の立て直しを早急に行えば、再申請や将来的な許可取得の道が開けます。現在の状況を正しく整理し、過去の行為を隠すよりも透明性を確保することが、信用回復の第一歩になります。

つまり、「知らなかった」では済まされないのが建設業許可の世界ですが、的確な対応を取れば今後の事業を守ることは十分に可能です。無許可による不安や、事業継続への不透明感は、制度を正しく理解し、適切な法的手続きを踏むことで確実に軽減できますよ。

よくある質問

建設業許可がないまま工事を請け負うとどうなりますか?
無許可で建設工事を請け負うと、建設業法第3条違反により「3年以下の懲役または300万円以下の罰金」が科されるおそれがあります。法人にも両罰規定が適用され、経営者・会社の双方が処罰対象となります。さらに、信用低下による取引停止や金融機関の融資制限など、事業継続に大きな影響を及ぼします。
どんな工事なら建設業許可が不要ですか?
許可不要なのは建設業法上の「軽微な工事」に限られます。建築一式工事の場合は、請負代金1,500万円未満または延べ面積150㎡未満の木造住宅が対象です。それ以外の工事(内装・電気・土木など)は、請負代金500万円未満(税込)であれば許可不要です。ただし、附帯工事を含む場合や複数工種をまとめて請け負う場合は、基準を超えることがあるため注意が必要です。
500万円未満の工事なら本当に許可はいらないのですか?
原則として500万円未満の工事は許可不要ですが、附帯工事や他業種を組み合わせた場合は、合算して500万円を超えると許可対象になります。また、請負金額を分割して見積書を作成しても「一体的な工事」と判断されると無許可施工とみなされる場合があります。契約前に専門家へ確認することをおすすめします。
無許可営業が発覚した場合はどう対応すべきですか?
まずは工事を速やかに停止し、契約書や見積書など関連書類を整理します。そのうえで行政書士や弁護士に相談し、是正計画書の提出や再許可申請の準備を進めてください。監督官庁から是正命令や営業停止命令が出される前に誠実な対応を取ることで、再許可時の不利を最小限に抑えられます。
建設業許可を取得・維持する際に気をつけるポイントは?
許可の有効期間は5年間で、更新手続きは満了日の3か月前から30日前までに行う必要があります。更新や変更届を怠ると無許可状態となり、6か月以下の懲役または100万円以下の罰金を科される可能性があります。定期的に決算変更届や人事変更の確認を行い、許可管理体制を社内で制度化することが再発防止と信用維持の鍵です。