とび・土工工事業だけでは足りない?解体工事業で必要な建設業許可と取得方法を解説

解体工事業の定義と範囲

解体工事業とは

「解体工事業」とは、建築などを取り壊す工事を行う業種です。
建設業法では、2016年6月の法改正により新たに登場した業種です。
つまり、現在では解体を専門に行うには、専用の建設業許可(解体工事業)を取得する必要があります。

具体的な工事例

以下のような工事が「解体工事業」に該当します。

  • 木造・鉄骨造・RC造などの建物の全解体
  • 重機や足場を使った大規模解体工事

解体工事業の特徴と他業種との違い

以前は一式工事や各種専門工事業として扱われていましたが、現在は解体工事業は独立した業種となり、専用の許可が必要です。
例えば、建物の解体だけを請け負っていて「とび・土工工事業」の許可しか持っていない場合は、法令違反とみなされる可能性があるため注意が必要です。

もっとも勘違い多いのは、解体工事業とは「基本的に全解体のとき」に該当する業種ということです。建物の一部だけを壊すだけならとび・土工、管工事、内装工事などに分けられます。要は、更地にするのが解体工事業ということです。

少し専門的な言い方をすると、一式工事で建てたもの(住宅など)を壊すのが解体工事業です。ですが、全解体後に更地にして、さらに新築するまでを請負場合は建築一式工事に該当します。また、スケルトン解体までしてリフォームする場合も建築一式になったりします。

このように非常に判断が難しいのが解体工事業。解体業者さんの工事経歴書を作っても、行政書士から見ると、建築一式やとび土工などが実態で解体工事は1件もやっていないということもあります。

建設業許可取得の重要性

法令遵守の観点

建設業法では、工事1件の請負代金が500万円(税込)以上の場合は、解体工事業の建設業許可が必要です。
無許可で請け負った場合、営業停止や罰金、入札資格の停止などの重大なペナルティがあります。
また、廃棄物処理法や石綿障害予防規則など、他法令との連携が求められるのも解体工事の特徴です。

許可取得のメリット

  • 公共工事や大手元請案件への参入が可能になる
  • 社会的信用の向上につながる
  • 顧客への安心感と信頼性をアピールできる
  • 不許可による違反リスクを回避できる

解体工事業の許可申請手続き

必要書類と申請手順

建設業許可の申請には、以下のような書類が必要です。

  • 建設業許可申請書(様式第1号など)
  • 経営業務の管理責任者に関する証明書類
  • 専任技術者の資格証明(解体工事実務経験、施工管理技士など)
  • 財務書類(直近の決算書など)
  • 営業所の使用権を証明する資料(賃貸契約書など)
  • 納税証明書、登記事項証明書 等

申請時の注意点

  • 専任技術者には、原則として解体工事の実務経験が必要
  • 解体に関する公的資格(例:施工管理技士)の保有も有利
  • 500万円以上の自己資本または預金残高の証明
  • 社会保険・労働保険の加入状況も審査対象になる

まとめ:専門家による支援の重要性

複雑な申請プロセス

解体工事業では、とくに「実務経験」の証明や、他業種との境界線の判断が難しい場面があります。
許可を取っているつもりでも、該当工事が別業種扱いと判断される可能性もあるため、正確な知識と書類作成の精度が求められます。

行政書士に依頼するメリット

申請に必要な要件や証明方法を正しく見極め、書類作成や申請窓口とのやりとりまで丁寧にサポートします。
当事務所では、群馬県内を中心に多くの建設業許可の申請を手がけており、解体工事業特有の課題にも柔軟に対応。
「うちの業務内容は、解体工事業の許可が必要なのかな?」
そんな疑問をお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。現場実情に即したアドバイスで、安心・確実な許可取得をサポートします。


注意:法律・制度は改正される可能性があります。本記事の内容は最終更新日時点のものです。最新かつ正確な情報については、関係機関への確認や専門家へのご相談をおすすめします。
また、本記事は群馬県を基準に執筆しており、他地域では異なる場合もありますのでご注意ください。
当事務所では、常に最新の情報提供に努めております。ご不明点やご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

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