管工事業とは？建設業許可の取得条件と申請手続きガイド
harulegal～ 給排水・空調・衛生設備などの施工に関わる方へ、許可取得のポイントを解説 ～
管工事業の定義と範囲
管工事業とは
管工事業は、給排水、ガス、冷暖房、空気調和、衛生設備など、建物や施設の“配管”に関わる設備を設置する工事を対象とした業種です。
暮らしや業務を支えるライフラインを安全・確実に供給するため、機能面・安全面の両方で非常に重要な役割を担います。
具体的な工事例
- 建物の給排水設備の配管・接続工事
- トイレ・洗面・キッチンなどの衛生設備の設置
- 空調機器（エアコン・換気扇）の設置とダクト配管
- ガス配管工事・温水配管工事
- 冷暖房設備の配管接続・リニューアル
管工事業の特徴と他業種との違い
管工事業は、機能的な設備を対象とする専門性の高い業種であり、他業種との区別が重要です。
特に以下の業種と施工範囲が重なる場合があるため、正確な判断が必要です。
- 屋根工事：屋根の葺き替えなどの工事
- 水道施設工事業：道路上の配水管の布設など「公共の水道設備」を対象とした工事
- 消防施設工事業：スプリンクラーや消火設備などの「防火設備」の設置が対象
- 機械器具設置工事業：工場内の配管や機器の設置を含むが、対象が“機械”中心で、設備全体の機能構築が主
建築物の内部に配管設備を整備する場合は管工事業に該当することが多いでしょう。土木でも外構工事では管工事は少なくありません。管工事を理解するポイントは「配送するための設備」であることです。気体液体関係なく、配送させるなら管です。例えば、屋根工事とされる工事でよく見ると「雨樋の交換」である請求書を見ることがあります。実はこれ管工事です。雨水を配送するための装置ですから。
このように許可を取得する際には実際の施工内容に応じた業種判断が重要になります。
建設業許可取得の重要性
法令遵守の観点
1件あたりの工事代金が500万円（税込）以上となる場合は、建設業許可が必要です。
管工事は住宅・商業施設・病院・工場など様々な施設で行われることが多く、高額工事になるケースも少なくありません。
無許可で施工した場合、行政処分や罰則が科される可能性があります。
許可取得のメリット
- 公共施設・自治体関連の設備工事を請け負える
- 元請企業からの信頼が高まる
- 取引先や金融機関への信用力アップ
- コンプライアンス強化による安定した経営体制
管工事業の許可申請手続き
必要書類と申請手順
- 建設業許可申請書（様式第1号など）
- 経営業務の管理責任者に関する証明書類
- 専任技術者の資格証明（施工管理技士・実務経験など）
- 財務書類（貸借対照表・損益計算書など）
- 営業所の使用権を示す書類（登記簿謄本・賃貸契約書など）
- 納税証明書、登記事項証明書 等
知事許可または大臣許可のいずれかを取得し、通常1〜2ヶ月の審査期間が必要です。
申請時の注意点
- 自己資本500万円以上 or 預金残高での資力証明が必要
- 専任技術者の「常勤性」と「資格 or 実務経験」の証明が必要
- 経管の要件（5年以上の経営経験など）を満たすか事前確認を
- 社会保険・労働保険の加入状況も審査の対象となる
まとめ：専門家による支援の重要性
複雑な申請プロセス
管工事業では、施工範囲が多岐にわたるため、「この工事は管工事に入るのか？」という判断が必要なケースがよくあります。
また、技術者の経験証明や許可業種との整合性を正確に整理することが、申請の成否に直結します。
行政書士に依頼するメリット
当事務所では、管工事業に関する建設業許可の申請を多数サポートしており、専門性の高い案件でも丁寧に対応しています。
実務経験や設備内容のヒアリングを通して、業種判断から書類作成までをトータルで支援します。
「うちの工事はどの業種になる？」と迷ったら、まずはお気軽にご相談ください。
注意：法律・制度は改正される可能性があります。本記事の内容は最終更新日時点のものです。最新かつ正確な情報については、関係機関への確認や専門家へのご相談をおすすめします。
また、本記事は群馬県を基準に執筆しており、他地域では異なる場合もありますのでご注意ください。
当事務所では、常に最新の情報提供に努めております。ご不明点やご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
