とび・土工・コンクリート工事業とは?建設業許可の取得条件と手続きガイド

とび・土工・コンクリート工事業の定義と範囲

「とび土」とは

とび・土工・コンクリート工事業は「とび土」と略されることが多く、建設現場における仮設工事や基礎工事、鉄骨の組立など、構造物を造る上で欠かせない工種です。
建設業法では、「くい打ち、くい抜き及び場所打ぐいを行う工事、土砂の掘削、盛土、整地などの土工事、足場の組立て、機械器具等の設置等のとび工事その他基礎的ないし準備的工事」を含む業種とされています。

他の業種と比較しても範囲が広く、「縁の下の力持ち」的存在です。悪く言えば「その他」はとび・土工になりがち。非常に判断が難しい業種です。

具体的な工事例

以下のような工事が「とび・土工工事業」に該当します:

  • 足場の組立・解体(仮設足場、吊り足場 等)
  • 鉄骨の建方・組立作業
  • 重量物のクレーン等による運搬配
  • 掘削工事(基礎掘り・ピット掘削など)
  • 山留工事、土留め支保工
  • くい打ち、くい抜き、地盤改良工事
  • 整地、盛土、埋戻し 等

とび・土工工事の特徴と関連業種との比較

とび・土工は、建築・土木どちらの現場にも関わることが多く、仮設や基礎など幅広く対応できるのが特徴です。

以前は「解体工事」とも関係が深かったとび土工ですが、現在は解体工事業として独立しておりそれぞれ専用の許可が必要です。

また、機械器具設置工事業と混同されるケースもありますが、両者は施工対象や目的が異なります。

  • とび・土工:足場の組立て、掘削、基礎工事など建築・土木に付随する作業が中心
  • 機械器具設置工事業:プラントや大型設備などの機械を据付・調整し、設備として機能させる工事

たとえば、基礎だけを施工するのはとび・土工、設備機器の設置だけならとび・土工工事。しかし、管や電気などが絡んだり、建物と一体的な状態にしたりする場合は機械器具設置工事業に該当します。

重量物を吊って運搬後、設置することも該当する場合があるため、とび土工は製造業や運送会社も取得していることがあります。業種の判断は許可の適正性にも関わるため、正確な理解が重要です。

建設業許可取得の重要性

法令遵守の観点

建設業法では、500万円(税込)以上の工事(※建築一式工事は1,500万円以上)を請け負うには建設業許可が必要です。
無許可でこのような工事を請け負った場合、営業停止・指名停止・罰金刑等の行政処分が科されるリスクがあります。
また、社会保険未加入問題やコンプライアンス遵守の流れもあり、許可取得は企業信用の向上にもつながります。

許可取得のメリット

建設業許可を取得することで、以下のようなメリットがあります:

  • 元請やゼネコンからの仕事を受けやすくなる
  • 公共工事や大手企業案件への参入が可能になる
  • 取引先や金融機関からの信用力アップ
  • 技術力・実績の証明となる

とび・土工工事の許可申請手続き

必要書類と申請手順

建設業許可を取得するためには、次のような書類を準備する必要があります。

  • 建設業許可申請書
  • 経営業務の管理責任者を証明する書類
  • 専任技術者の資格証明(例:1級または2級土木施工管理技士など)
  • 財務書類(貸借対照表、損益計算書など)
  • 営業所の賃貸借契約書や登記簿謄本
  • 納税証明書、登記事項証明書 等

申請時の注意点

  • 資本金要件:500万円以上の自己資本 or 預金残高証明など
  • 専任技術者:国家資格 or 実務経験10年以上(学歴により短縮あり)
  • 経営業務の管理責任者:建設業に関する経営経験5年以上 等
  • 欠格要件:暴力団排除、過去の法令違反、破産免責等のチェック

まとめ:専門家による支援の重要性

複雑な申請プロセス

建設業許可の申請には、膨大な書類と専門的な知識が求められます。
特に「実務経験」の証明や「管理責任者の経験確認」は、申請者自身で判断が難しいケースが多いです。

行政書士に依頼するメリット

建設業許可の申請は、書類の準備や実務経験の証明、法令の理解など、専門的な知識が求められる場面が多くあります。
特にとび・土工工事業のように、業務範囲が幅広く、他業種と重なりやすい分野では、正確な判断が重要です。

こうした手続きに不安を感じたら、専門家の力を借りるのもひとつの選択肢です。
当事務所では、群馬県内を中心に建設業許可に関する多数のご相談をいただいており、実務経験の証明や申請書類の作成を丁寧にサポートしています。

「専門的なことはプロに任せて、現場の仕事に集中したい…」
そんな方こそ、ぜひ一度ご相談いただければと思います。
丁寧かつ煩わしいことがない対応で、許可取得をしっかりお手伝いします。

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