大工工事業とは?建設業許可の取得条件と申請手続きガイド

~ 木造建築・内装工事に関わる事業者のための基礎知識 ~

大工工事業の定義と範囲

大工工事業とは

大工工事業は、木材などを使用して建築物の骨組みを作ったり、内装や下地を施工したりする工事を行う業種です。
建設業許可の業種区分では「木材の加工または取付けにより工作物を築造し、または工作物に木製設備を取り付ける工事」とされています。
戸建住宅はもちろん、商業施設や公共建築など幅広く関わることができる基本的な工種です。

※国土交通省中部地方整備局 建設業許可の業種区分(PDF)

具体的な工事例

大工というと家を建てるイメージを持たれますが、建設業法では異なります。現在では「型枠大工」というのがほとんど。従来の大工さんのポジションは建築一式工事というのが正解です。

つまり、大工工事業であれば家を建てられる、工務店を開けるかというとそれは違います。

大工工事業の特徴と他業種との違い

大工工事業は、建物の骨組みを作る「構造部分」や、木材を使った内装下地などを担う業種です。

木造住宅を中心に、建築物の基盤を形作る重要な役割を担います。

ただし、業務内容が似ている他の業種と区別がつきにくい場面もあり、許可を取得する際には以下のような違いを理解しておくことが大切です。

  • 建具工事業:ドア・ふすま・障子・サッシなどの「可動式の仕切りや開口部」に特化した取付け工事。あくまで“建具”の取付が中心。
  • 内装仕上工事業:クロス貼り・床仕上げ・天井のボード貼りなど、完成後の「見える部分」を美しく仕上げる工事。
  • 建築一式工事業:設計・施工を一括で請け負い、建築物を“完成”させる工事全体を対象。

大工工事業があれば建築一式の一部として扱われることもありますが、500万円未満の木工事を単独で請け負う場合には、大工工事業の許可だけで対応可能なケースもあります。
施工対象や範囲によって許可の種類が変わるため、しっかりと区分を確認することが重要です。

建設業許可取得の重要性

法令遵守の観点

建設業法では、1件あたりの請負金額が500万円(税込)以上の工事を請け負う場合には、建設業許可が必要です。
大工工事業では、木造住宅の新築や大規模建築などこの金額を超えるケースもあり、許可取得の重要性は高いといえます。

許可取得のメリット

  • 取引先や金融機関からの信頼性が向上する
  • 大規模案件にも対応可能となる
  • コンプライアンスや社会的信用の強化につながる

大工工事業の許可申請手続き

必要書類と申請手順

  • 建設業許可申請書(様式第1号など)
  • 経営業務の管理責任者に関する証明書類
  • 専任技術者の資格証明(実務経験10年以上や施工管理技士など)
  • 財務書類(貸借対照表・損益計算書など)
  • 営業所の使用権を示す書類(登記簿謄本・賃貸契約書など)
  • 納税証明書、登記事項証明書 等

申請は営業所所在地を管轄する都道府県庁(または国土交通省)に提出し、審査期間は通常1~2ヶ月ほどです。

申請時の注意点

  • 専任技術者が常勤であることの証明が必要
  • 自己資本500万円以上、またはそれに相当する預金残高証明が必要
  • 実務経験の証明は、契約書や注文書など具体的な資料が求められる
  • 欠格要件や社会保険の加入状況なども審査対象

まとめ:専門家による支援の重要性

複雑な申請プロセス

大工工事業では、個人事業主から法人までさまざまな形態があり、申請要件も多岐にわたります。
特に「実務経験」の証明や「経営業務の管理責任者の判断」は専門知識が必要であり、不備や誤りがあると審査が通らない可能性もあります。

行政書士に依頼するメリット

書類の作成から必要要件の確認まで、専門家が対応することで、スムーズで確実な許可取得が可能になります。
当事務所では、群馬県内を中心に多数の建設業許可実績があり、個人事業主様から法人様まで幅広く対応。
「許可が必要かわからない…」という段階でも、どうぞお気軽にご相談ください。

 

    注意:法律・制度は改正される可能性があります。本記事の内容は最終更新日時点のものです。最新かつ正確な情報については、関係機関への確認や専門家へのご相談をおすすめします。
    また、本記事は群馬県を基準に執筆しており、他地域では異なる場合もありますのでご注意ください。
    当事務所では、常に最新の情報提供に努めております。ご不明点やご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

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