建設業許可:土木一式工事とは?その重要性と申請のポイント

建設業許可

建設業を営む皆様にとって、建設業許可の取得は避けて通れない重要なステップです。特に、土木一式工事を行う場合、その範囲や定義、具体的な工事例をしっかり理解し、適切な許可を取得することが求められます。
この記事では、土木一式工事の基本的な定義や特徴建築一式工事との比較許可取得の重要性とメリット、さらには申請手続きの具体的な方法など、幅広いトピックについて詳しく解説します。
建設業許可の取得を検討している方や、その手続きに不安を感じている方にとって、役立つ情報が満載です。
ぜひ最後までお読みください。

土木一式工事の定義と範囲

土木一式工事とは

土木一式工事は、建設業法に基づく建設工事の一つで、主として土木工事を総合的に行うものを指します。一般的に、道路や橋梁、トンネルなどの公共インフラの整備、河川の改修工事などが含まれます。他の工事種類と異なり、土木一式工事は複数の工種を組み合わせて行う大規模な工事が特徴です。

具体的な工事例

土木一式工事には、以下のような具体的な工事例があります。

  • 道路工事:道路の新設や改修、舗装工事など
  • 橋梁工事:橋の建設や補修工事
  • トンネル工事:トンネルの掘削や維持管理

このように土木一式工事は、公共インフラの整備に直結しており、地域社会の発展に不可欠なものです。

土木一式工事の特徴と建築一式工事との比較

土木一式工事は、建築一式工事と並んで「一式工事」と呼ばれる工事区分の一つです。
両者は法律上、似た扱いを受けることが多く、大規模なプロジェクトにおいてはほぼ元請として受注するケースがほとんどです。
道路や河川など公共工事と密接に関連しているため、国や地方自治体からの発注が多いのが特徴です。
また、建設業許可申請時の実務経験要件が他の工事種類と比べて厳しく設定されています。これは、土木一式工事が広範囲な知識と経験を必要とするためです。

建設業許可取得の重要性

法令遵守の観点

建設業法に基づき、一定規模以上の建設工事を行う場合には建設業許可が必要です。
無許可で営業を行うと、厳しい罰則が科される可能性があります。法令を遵守し、許可を取得することは、企業の信頼性を高めるためにも重要です。

許可取得のメリット


建設業許可を取得するメリットには以下のようなものがあります。

  • 信頼性向上:許可を持つことで顧客や取引先からの信頼が高まります。
  • 受注機会の拡大:公共工事への参加資格が得られ、大規模な民間工事でも、発注者が許可業者を求めるケースが増えているため、受注機会の拡大につながります。
    特に、土木一式工事の許可は公共工事の受注に不可欠で、建設業許可がなければ多くの公共工事案件に参加することすらできません。
  • 資金調達の円滑化:事業の安定性や継続性をアピールできるため、融資が受けやすくなります。
  • 技術力の証明:専任技術者の配置が求められるため、自社の技術力をアピールできます。


このように、建設業許可の取得は単なる法的要件にとどまらず、事業の成長と安定性に直結する重要な要素なのです。

土木一式工事の許可申請手続き

必要書類と申請手順

土木一式工事の許可を取得するためには、以下の書類を準備し、所定の手順に従って申請を行う必要があります。

  • 申請書類の種類:申請書、工事経歴書、財務諸表、専任技術者の資格証明書など
  • 提出先:・都道府県の建設業許可担当部署(都道府県知事許可の場合)
        ・国土交通省の建設業許可担当部署(国土交通大臣許可の場合)

申請後、書類審査や実地調査などを経て、許可が下りるまでには通常1~2ヶ月程度かかります。

申請における主要な要件

許可申請を行う場合の主要な要件は以下の通りです。

1.財産的基礎要件

◎一般建設業の場合(以下のいずれかを満たす必要があります)

  • 自己資本額が500万円以上
  • 500万円以上の資金調達能力がある
  • 過去5年間継続して建設業を営業した実績がある

◎特定建設業の場合(以下のすべてを満たす必要があります)

  • 欠損額が資本金の20%以下
  • 流動比率が75%以上
  • 資本金が2,000万円以上かつ自己資本が4,000万円以上
  • 判断基準は原則として許可申請時の直前の決算期における財務諸表によります。
  • 倒産が明白な場合を除き、許可申請時の状況で判断されます。
  • 許可取得後に基準を満たさなくなっても、直ちに許可の効力に影響はありません。
  • 資金調達能力の証明には、預金残高証明書や融資証明書などが必要です。

2.資格要件(土木工事業の例)

◎専任技術者の資格(以下のいずれかの資格が必要です。)

  • 1級・2級建設機械施工技士
  • 1級・2級土木施工管理技士(土木)
  • 技術士(建設・総合技術監理部門「建設」)
  • 技術士(建設「鋼構造及びコンクリート」・総合技術監理)
  • 技術士(農業「農業土木」・総合技術監理)
  • 技術士(水産「水産土木」・総合技術監理)
  • 技術士(森林「森林土木」・総合技術監理)

◎実務経験 ※特定建設業の場合
上記資格に加え、発注者から直接請け負い、その請負代金の額が4,500万円以上である建設工事について、2年以上の指導監督的な実務経験が必要です。

3.欠格要件

  • 暴力団員でないこと
  • 過去に許可取消処分を受けていないことなど
    これらの要件の他に、経営能力があることや適切な社会保険等に加入していることなど、建設業者としての財務的安定性、技術的能力、倫理的適格性を確保するための要件が設けられています。

専門家による支援の重要性

建設業許可の申請プロセスは複雑で、多岐にわたる書類作成や法令の解釈に専門知識が必要です。特に、有資格者がいない場合や実務経験について適切な証明方法を知らない場合、申請が却下されるリスクが高まります。
このような複雑な状況に対処するため、行政書士への依頼をご検討ください。行政書士を活用することで得られる主なメリットは以下の通りです。

  • 専門知識の活用:法令や手続きに精通した専門家が対応します。
  • 時間と労力の節約:煩雑な手続きを代行するため、本業に集中できます。
  • ミスの防止:書類の不備やミスを防ぎ、スムーズな申請進行が可能です。
  • リスク軽減:有資格者の要件や適切な証明方法など、申請却下のリスクを最小限に抑えます。

以上の理由から、建設業許可の申請は専門家である行政書士に依頼することをお勧めします。
私たちの事務所では、建設業許可の申請手続きを全面的にサポートしておりますので、お気軽にご相談ください。
皆様の許可取得を全力でサポートいたします。

最終更新日:2024/08/27
注意:法律・制度は改正される可能性があります。本記事の内容は最終更新日時点のものです。最新かつ正確な情報については、関係機関への確認や専門家へのご相談をおすすめします。
また、本記事は群馬県を基準に執筆しており、他地域では異なる場合もありますのでご注意ください。
当事務所では、常に最新の情報提供に努めております。ご不明点やご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

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