グリーンファイルとグリーンサイトの違いを徹底解説!建設業界の業務効率化の鍵

グリーンファイル
スタッフからの一言

新卒で入った建設会社で事務員として働き始めた時、「グリーンファイル」「グリーンサイト」という言葉が飛び交い、何のことだかわからず混乱した経験があります。そんな経験から生まれたこの記事が一人でも多くの方の助けになれば幸いです。

建設業界で「グリーンファイル」「グリーンサイト」という言葉を耳にしたことはありませんか?似ているようで内容が違うこの2つですが、実は現場の安全管理と業務効率化に欠かせない存在です。

この記事では、これらの違いをくわしく解説し、建設キャリアアップシステム(CCUS)との連携など最新の動向にも触れていきます。

事務担当者や経営者の皆様にとって、業務改善の一助となれば幸いです。
ぜひ、最後までお読みください。

「グリーンファイル」と「グリーンサイト」の違い

「グリーンファイル」と「グリーンサイト」は、どちらも安全書類に関する言葉です。建設業界における安全管理と効率化のための重要なツールですが、大きな違いがあります。

「グリーンファイル」は紙ベースで安全書類をまとめたファイルの総称であり、現場での作業員の安全確認や資格証明に使用される物理的なファイルです。

一方、「グリーンサイト」はデジタル化された統合管理システムで、インターネットを通じて安全書類の作成・提出ができ、作業員の情報や資格を一元管理できるオンラインプラットフォームです。

グリーンサイトは、業界最大手の民間企業が運営するウェブサービスであり、国内シェアNo.1を誇りますが、公的機関とは一切関係がありません。 株式会社MCデータプラスが運営している建設業界向けの労務安全書類作成サービスで、業界標準的なサービスとして広く認知され、建設現場の業務効率化と省人化に貢献しています。

参考:株式会社MCデータプラス グリーンサイト | 建設サイト・シリーズ

書類管理方法の違い

グリーンファイルとグリーンサイトの最も顕著な違いは、書類管理の方法です。
グリーンファイルは紙ベースの管理方法であり、各作業員の資格証明書や安全教育の記録などを物理的なファイルに保管します。これに対し、グリーンサイトはすべての情報をデジタル化し、クラウド上で管理します。

グリーンサイトは、デジタル化によって書類の紛失リスクを軽減し、情報の更新や検索を容易にするという大きな利点を持つシステムです。また、作業員の資格情報や安全教育の受講履歴などをリアルタイムで確認できるため、現場での即時的な確認が可能になります。
特に大規模な現場や複数の現場を同時に管理する必要がある場合には、大きな利点となります。

システム化による効率化

グリーンファイルは紙の書類をまとめていますので、一つ一つの書類はエクセルやワードで作られていたり、コピーを取ったものを綴じています。書類ごとに様式が違ったり、同じ情報を色々な書類に転記しなくてはいけないので手間がかかります。
現場が終わってからこの書類を作成するために残業…なんてことも。

グリーンサイトの導入によって、建設現場の管理業務は大幅に効率化されました。
例えば、作業員の入退場管理や日報作成などの日常業務が自動化され、事務作業の負担が軽減されます。また、資格の有効期限管理も自動で行われるため、更新忘れのリスクが低減します。

さらに、グリーンサイトは建設キャリアアップシステム(CCUS)と連携しており、CCUSに登録された作業員情報を自動的に取り込むことができるのです。このことで二重入力の手間が省け、より正確な情報管理が可能になりました。また、CCUSのキャリアアップカードを用いた入退場管理も可能となり、現場の安全管理と作業員の技能向上支援が一体化されます。

参考:CCUSデータ連携サービス | 建設サイト・シリーズ

このようなシステム化による効率化は、単に事務作業の負担を減らすだけでなく、現場の安全性向上や品質管理の徹底にもつながります。結果として、建設業界全体の生産性向上と競争力強化に貢献することが期待されているのです。

グリーンファイルとは

先に説明したように、グリーンファイルは、建設業界で長年使用されてきた安全管理や品質管理のための書類を綴じたファイルのことを示しています。この名称はファイルの表紙が緑色なことからつけられています。

主に現場での作業員の安全教育記録、工事進捗状況、重機使用届などの安全関連書類を整理・保管するために使用されるもので、建設業法に基づき作成が義務付けられており、労働災害防止と作業員の安全確保に重要な役割を果たします。また、建設現場の効率的な管理にも貢献し、必要に応じて行政への提出や検査にも活用されます。

グリーンファイルの種類

グリーンファイルには、主に以下の3種類があります。

  1. 工事用グリーンファイル:個別の工事現場ごとに作成され、施工計画書、安全管理計画書、作業員名簿、新規入場時教育実施報告書、安全ミーティング報告書などが含まれます。
  2. 会社用グリーンファイル:会社全体の安全管理体制や品質管理システムに関する書類をまとめたもので、社内の安全衛生方針や教育訓練計画などが含まれます。
  3. 作業員用グリーンファイル:個々の作業員の資格証、健康診断結果、安全教育の受講記録などを管理します。

これらのファイルは、現場の安全確保と労働災害防止が主な目的です。書類の種類は工事の規模や内容によって異なり、元請会社と下請会社とのあいだで共有されます。このような区分に基づく適切な管理によって、法令遵守の証明や立入検査への対応が容易になり、結果として業務効率の向上にもつながります。

グリーンファイルの重要性

グリーンファイルは、建設業界において安全管理と品質管理の軸となる書類です。労働安全衛生法や建設業法などの法令遵守を証明する役割を果たすとともに、万が一事故が発生した際の証拠資料としても機能します。

発注者や監督官庁の立入検査時にも提示が求められることがあり、適切な管理が必要不可欠です。グリーンファイルの活用によって、現場の安全管理体制が明確化され、労働災害のリスク低減が期待されます。

また、作業員の安全教育記録や工事進捗状況の管理を通じて、現場全体の安全意識が向上する点も利点の一つです。さらに、建設業許可の更新や経営事項審査の際にも、これらの書類が重要な評価対象となります。

そのため、グリーンファイルの適切な管理は、現場の安全管理だけでなく、企業全体の信頼性や競争力にも直結する重要な業務といえるでしょう。

グリーンサイトとは

グリーンサイトは、建設現場における労務安全書類の管理をオンライン上で行えるデジタルのシステムです。

クラウドベースで、いつでもどこでもアクセスできる利便性が特徴で、現場のリアルタイム情報を把握し、全ての関係者が同じ情報を共有することで、業務の効率化が期待できます。

グリーンサイトの特徴と機能

グリーンサイトは、建設業界の業務効率化と安全管理の向上を目的として開発されました。主な特徴と機能は以下の通りです。

  • アクセスが容易:インターネット接続とパソコンがあれば、いつでもどこでも利用可能です。
  • 効率的な書類管理:労務安全書類の作成、提出、確認が簡単に行えます。一度登録した情報を複数の書類で再利用できるため、データ入力の手間が大幅に削減されます。
  • 自動チェック機能:入力漏れ等を自動でチェックし、ミスを防止します。
  • 期限管理機能:健康診断、各種免許、建設業許可等の期限に対するアラート機能があり、更新忘れを防ぎます。
  • リアルタイム情報共有:元請会社と協力会社間でリアルタイムに情報共有が可能で、迅速な意思決定につながります。
  • CCUSとの連携:建設キャリアアップシステム(CCUS)と連携し、作業員情報の自動取り込みやキャリアアップカードを用いた入退場管理が可能です。

これらの機能により、ミスの防止や期限管理の徹底、関係者間のスムーズな情報交換が実現し、建設現場の管理業務が大幅に改善されます。

グリーンサイトの利用方法

グリーンサイトの利用は以下の手順で行います。

  1. ログイン:専用のIDとパスワードでシステムにアクセスします。
  2. 書類作成:必要な労務安全書類を画面上で作成します。
  3. データ入力:従業員情報やクレーン・車両情報等を入力します。
  4. 書類提出:作成した書類を電子的に提出します。
  5. 情報共有:元請会社と協力会社間で必要な情報を共有します。
  6. 期限管理:各種免許や許可の期限をシステム上で管理します。

利用にあたっては、インターネットに接続できるパソコンが必要です。一度登録したデータは自動的に保存され、次回以降の書類作成時に再利用できるため、効率的な管理が可能です。

グリーンサイトの利用料金

グリーンサイトの利用料金は、元請会社と協力会社で異なる体系となっています。初期コストとして、初期設定料金と年間ID利用料(12ヶ月分前払い)が必要です。

協力会社の場合

  • 初期設定料金:10,000円(税抜)
  • 年間ID利用料(前払い):1名プランで4,800円/年、10名プランで12,000円/年(税抜)

元請会社の場合

  • 初期設定料金:10,000円(税抜)
  • 年間ID利用料(前払い):1名プランで4,800円/年、10名プランで12,000円/年(税抜)
  • プロジェクト利用初期設定料金:300,000円(税抜)
  • プロジェクト利用料:プロジェクト数に応じて変動(例:10〜99プロジェクトの場合、1プロジェクトあたり7,000円/月(税抜))

このように、グリーンサイトは、初期投資は必要ですが、長期的には業務の質の向上とコスト削減に大きくつながるもので、建設業界の生産性向上と安全管理の徹底に貢献する重要なツールとして、今後さらなる普及が期待されています。

※料金は2025年3月8日現在です。詳細・最新情報はこちらをご確認ください。
公式HP:建設サイト・シリーズ ご利用料金

グリーンサイト導入の注意点

グリーンサイトはデジタル化によって、リアルタイムでの情報共有や遠隔地からのアクセスを可能にし、業務プロセスの大幅な効率化を実現します。

便利なシステムですが、導入するためには注意も必要です。

グリーンサイトを導入する際は、従業員全員がシステムを理解し、適切に利用できるように十分な研修期間を設けることが重要です。特に、デジタル機器の操作に不慣れな作業員がいる場合は、個別のサポートを行うなど、きめ細かな対応が必要です。

また、セキュリティ面にも注意を払い、個人情報や機密情報の取り扱いについて、明確なガイドラインを設けましょう。システム導入初期は従来のグリーンファイルとの併用を行い、段階的に移行することで、混乱を最小限に抑えることができます。

システムダウンや通信障害に備えて、重要書類のバックアップ体制を整えることも忘れてはいけません。

グリーンサイトとグリーンファイルの違いを理解し、効果的に活用しよう

ここまでグリーンファイルとグリーンサイトの違いについて解説してきました。

従来の紙ベースの管理方法として、グリーンファイルは現場での即時確認や法令遵守の証明に役立ちます。一方、グリーンサイトはデジタル化によってリアルタイムでの情報共有や遠隔地からのアクセスを可能にし、業務プロセスの大幅な効率化を実現します。

いずれのやり方も効果的な活用や導入、運用には専門的な知識が必要です。特に、建設業法や労働安全衛生法など厳密な法令遵守を確実に行うためには、専門家のサポートが不可欠です。

当行政書士事務所では、グリーンファイルの作成支援やグリーンサイトの導入支援、建設業許可の申請・更新、経営事項審査の対応まで、幅広くサポートしております。システムの効果的な活用方法や、法令遵守のための書類作成のアドバイスなど、お客様のニーズに合わせたきめ細かなサービスを提供いたします。

グリーンファイルの作成支援やグリーンサイトの導入・運用でお悩みの方は、ぜひ当事務所にご相談ください。お客様の業務改善と企業価値向上のお手伝いをさせていただきます。

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